オーセンティックバーとは?~あなたが行きたいバーはどんなところ?~

現在、「バー」とされるような店舗形態はいくつもあります。こちらのページでは所謂「バー」の種類を筆者・タリトネ流に説明いたします。

オーセンティックバー

狭い路地裏にある雑居ビル内にあって、ちょっと入りづらい重厚な雰囲気の扉を開けると、控えめな照明とジャズやクラシックBGMの流れている店内が広がっている。長く綺麗な一枚板のカウンターと、そのカウンター内にはジャケットスタイルのバーテンダーが凛として佇んでいる・・・そんなどこか大人で格調高い雰囲気が漂っているのがオーセンティックバーです。一部では「会員制」や「紹介制」を謳うバーもあります。

各バーに在籍するスタッフの多くは20代のうちに専門学校での勉強や実店舗での経験の中で、カクテルメイクのテクニックを磨き、ウィスキー・ワイン等に関する知見を蓄え、紳士的な接客スキルを身に付けていきます。その後、30~40代半ばにかけてバーテンダーとしての独立や、料理人や飲料系の開発者への転身等のセカンドキャリアを模索していくことが多いです。とにかく、一貫してプロのバーテンダーとしてお酒やバーに対して真摯に向き合っているスタッフが、格調高い雰囲気のある店内で働いている「バー」がオーセンティックバーといえます。

※当サイトで紹介しているバーの形態のほとんどがこのオーセンティックバーになります

ホテルバー

基本的な店内の雰囲気や、お酒への強いこだわりはオーセンティックバーと大差ありません。異なる点としてはまずその立地が挙げられます。オーセンティックバーが繁華街や住宅街の路地裏にあるのに対し、ホテルバーはその名の通りシティホテルやクラシカルなホテルの中に組み込まれています。ホテルの中にあるとはいえ、多くのホテルバーはそのホテルの宿泊客でなくても利用が可能で、フロントやバーエリア前には案内係のスタッフが常駐しているため、一般の方でも一度ホテル内に入ってしまえば比較的気軽に利用することができます。

また、在籍するバーテンダーの経歴やお店における立場に関しても、オーセンティックバーのそれとは大きく異なっています。ホテルのバーテンダーの中にはそのホテルの会社員を希望して入社している方もいて、その際に必ずしもバーテンダーを志しているとは限らないのです。つまり、「(入社後たまたま配属されたバーにおける)バーテンダーの業務をホテルマンや飲食店経営を目指す為の経験の一部と捉えている」場合もあります。さらにいえば、会社都合による人事異動や配置換えが行われる場合もあります。初めから理想のバーテンダーを目指して業務を経験していくオーセンティックバーのスタッフとは、業務に対する意識的な部分でやや異なっている傾向があるかもしれません。

ショットバー

繁華街や住宅街にある気軽なバーです。多くは路面店型で、店内の照明はさほど暗くなく、BGMにはポップスやR&B、ファンクといったキャッチ―なものが使われています。店内にいるスタッフの経歴はリカーショップや飲食業界で経験を積んできた方や、単にお酒好きの趣味が高じた方、異業界から脱サラして参入した方・・・非常に多種多様なものです。オーセンティックバーやホテルバーよりも非常にカジュアルでリーズナブル、客層の幅広さといった点が魅力です。一方でお酒のラインナップや美味しさについては御愛嬌、接客が必ずしも紳士的ではない場合があります。

ワインバー(特定のお酒特化バー)

オーセンティックバーよりもカジュアルで、ショットバーよりも若干フォーマル、ワインやビール、ジン等の特定のスピリッツ・リキュールを特化して取り扱っているのが特色です。ショットバーと同じくスタッフの経歴は多種多様で、お店の規模によって現役のソムリエから学生のアルバイトまで非常に多岐に渡ります。

ダイニングバー・パブ

ある程度のお酒のラインナップに加え、イタリアンや日本料理といった食事メニューも豊富に取り揃えているバー業態です。上記のオーセンティックバーやショットバーよりも圧倒的に席数が多く、バーというよりも居酒屋・レストランに酷似しています。スタッフの経歴等についてはショットバーやワインバーと同様で様々です。