バーの一人飲みは出会えるのか?お店の選び方や会話のネタを紹介

バーテンダーが「あちらのお客様からです・・・」と、キレイな女性にカクテルをサーブする。女性が視線を移した先には、スーツの似合うダンディな男性が・・・。こんなコッテコテで古典的な日本ドラマ演出は現在でも稀に見かける。

また、海外の映画でもバーでのナンパきっかけにラブロマンスが起きたり、ヤ○チンが女性を抱きまくったりするのはよくある。

国内外のドラマ・映画でよくあるこの展開を求めて、現在バーに興味を抱いている人もいるのではないだろうか。

そこで今回は“バー×出会い”について、これまで散々バーを巡ってきた筆者が考えたことをまとめた。

「バーって出会えるの?」なんて考えている人は、もしかしたら参考になるかもしれないので気軽に読んでいってほしい。

バーで出会いを求めるのはおすすめしない

出鼻を挫くようで少し言いにくいが、ハッキリ言ってバーに出会いを求めて行くのはおすすめしない。特に「コスパよく異性と出会いたい!」なんて考えて、バーに通うのは愚の骨頂だろう。

「パブスタ」や「ハブ」、もしくは「クラブ」「ラウンジ」「立ち飲み居酒屋」などに行った方がよっぽど効率よく出会えると思う。

ここから“バー×出会い”をテーマに、おすすめしない詳細な理由やバーのベターな楽しみ方などを紹介する。

男女が出会いやすいバーの特徴や条件

いきなり「バーに出会いを求めるのはおすすめしない」と言い切ってしまったが、出会いやすさ&親睦の深めやすさはバー(BAR)の種類によって結構異なってくる。

ここで男女が出会いやすいor出会いにくいバーの特徴などを、バーの種類ごとでまとめてみる。

出会えるバーの前提条件

出会えるバーの前提条件は以下のようなものだと思う。

  1. スタイリッシュすぎず、ほどよくカジュアルな雰囲気の店内
  2. 客単価がそこまで高くない(≒居酒屋とそこまで変わらない)
  3. SNS・ウェブサイトで情報発信している
  4. 利用客の男女比にあまり差がない

男女比に関しては言わずもがな。そして、客単価や情報発信などについても出会うための大切な要素といえる。

まず、①の店内の雰囲気は、ほかの客への話しかけやすさに関わってくる。暗くて幽玄な雰囲気や、無音もしくは静かにジャズが流れるような店内では、気軽にほかの客へ話しかけづらいものだ。適度に明るい空間の方がコミュニケーションを取りやすい。

また、②の客単価は利用客の層に関係してくるだろう。「客単価が高い=お金に余裕がある層しか通いづらい」という図式が成立するだけでなく、収入面の壁からどうしても中高年齢以上の男性客の比率が高くなりがちだ。女性の社会進出が叫ばれて久しいが、筆者が見てきた限り“高単価のバー”はやはりまだ男社会の感じが強い。

さらに、③の情報発信については、一見客の利用率に関わってくることだ。基本的にクローズドな空間になりがちなバー業界だが、その中でもSNS・ウェブサイトを通じて情報発信しているお店は、オープンな雰囲気があって世代・性別問わず利用客が集まりやすい。

以上のように、出会いやすいバーは「SNSなどを駆使しており、オープンでややカジュアルな雰囲気が魅力の男女ともに愛されているお店」といえるだろう。

オーセンティックバー・ホテルバーは意外と出会えない

出会いやすいバーの要素を考えてみたが、そう整理してみると所謂「オーセンティックバー」「ホテルバー」といったところは出会えないバーかもしれない。

まず、店内の雰囲気はオシャレなだけでなく、非常にスタイリッシュかつ都会的で良くも悪くも雑多な感じが皆無だ。よほど振る舞いがうまくないと、ほかの客に話しかけることなどは難しいだろう。

また、オーセンティックバー・ホテルバーの客単価は、居酒屋などと比べると相当に高い。飲むだけで5,000円以上かかるなんていう純粋な酒場はこの2つ以外にないと思う。

SNSで積極的に宣伝しているお店もそこまで多くないし、情報発信していたとしても投稿内容にカジュアルさやオープンな雰囲気は希薄だろう。

色々な要素から考えられる通り、出会い目的の利用はおすすめしない

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実際として、この2つのバーのメイン客層に「オシャレなバーで素敵な異性に出会いたいな~」なんて、夢見がちな出会い目的の人は少ないだろう。筆者も含めてオーセンティックバーに通っている層の多くは、バーの空間・酒に大人っぽく気持ちよくなりたいから利用している。

逆を言えば露骨な出会いの場ではないため、出会えた時の振る舞いの仕方によっては「自然な出会い」を演出できるバーでもあるのだが・・・それができるにはバー・お酒自体を好きになって、人と接するために必要な大人のコミュニケーション能力・教養を有しているのがマストだ。青く露骨なナンパをしても、あっさりと門前払いされるのが関の山だろう。

これを書いていて改めて思ったが、オーセンティックバー・ホテルバーで出会って交際に至るなんてのは、結構ハードルの高いことだなと感じた(笑)

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カジュアルバー・コンセプトバーは出会いやすい

オーセンティックバー・ホテルバーが出会いにくい一方で、カジュアルバー・コンセプトバー・ショットバーなどは出会いやすい酒場といえるかもしれない。前提条件に書いた4つすべてクリアしていることが多く、なおかつ出会いが全面に出ていない飲食形態だ。

コンセプトバーに関しては好みや趣味を共有しやすいというアドバンテージもあって、ほかのバーよりも多くの出会いが期待できるだろう。恋愛だけでなく、単純に趣味友達も作りやすいと思う。趣味を見つけてそれに類するコンセプトバーに行ってみよう。

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【バーでの出会いをムダにしない!】バーにありがちな一人飲み会話ネタ

さて、出会いにくいオーセンティックバーにしろ、はたまた趣味友も作りやすいコンセプトバーにしても、いざ出会えた時に好ましくない振る舞いをしていては関係を深められない。ここではバーにありがちな定番の会話ネタを一部紹介する。

タリトネ
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お酒や食事の好み

バーのメイン商品は“酒”なので、お酒や食事の好みは会話のメイントピックといえる。お互いの嗜んでいるお酒について、カジュアルに会話を交わしていけば良い関係性を築けるだろう。

この際にやりがちなのが相手の飲んでいる酒をバカにする、自分の価値観を押し付けるといったことだ。あなたも含めてバーの客は、それぞれ好みの飲み方をしているもの。それを否定するのはリスペクトを欠く行為だ。

相手と距離を縮めたいのであれば、きちんと相手にリスペクトを持つのがおすすめ。

趣味・仕事・出身地

お酒以外だと趣味・仕事・出身地などがよくある定番ネタだ。趣味の話題をきっかけにして交流を深めていこう。

また、職業や経済状況をバカにしたり、プライバシーに踏み込みすぎたりするなんてのはナンセンス。公開中の映画や配信スタートしたアニメ、最近の街の様子など界隈ごとのトレンドをきっかけにして、カジュアルながら大人に距離感を詰めていくのが大切だ。

お店の利用状況について

バーで知り合った時の挨拶代わりとして「よくこの店、来るんですか?」「いや、今日で2回目なんですよ~」など、お店の利用状況にまつわる会話はよくなされる。

週一以上で立ち寄るガッツリ常連や月一程度で一杯ひっかける客、遠方から季節ごとに一度くるお店のファン、ネットで情報をキャッチして訪れ緊張しつつも楽しんでいる一見客など、客ごとにそのバーの利用状況・楽しみ方は千差万別。

様々な人がカウンターを共有しているので、お店に関する話題だけでも意外と話が弾むものだ。話のとっかかりを見つけたい人はぜひ試してみると良いかもしれない。

バーで出会う時の注意点

最後にバーで出会う時の注意点をまとめておく。バーという大人の社交場で紳士淑女のまま過ごすために、気になった異性の1人飲みの邪魔をしないように、ぜひチェックしておいてほしい。

一人飲み同士だからといって無暗に話しかけない

その昔、カフェーから派生したオーセンティックバー風のお店が街にでき始めた頃、バーはリッチな男性客と“娼婦のような女性”が出会うための場として活用されたこともあったそうな。なんと、バーテンダーやスタッフがその手引きをしていたこともあるらしい。

でもそれはもう過去の話。大正・昭和の昔話だ。

平成飛び越えて令和になった現在、カウンターでお酒を嗜むバーのメイン客は基本的に一人飲みが多いが、「出会い目的」「ナンパ待ち」な人はあまりいない。みなそれぞれお酒と時間・空間に身を委ねて、まったりと時間を過ごしている。なかには自分と向き合って過ごしている人もいるだろう。

そんな状況下で、意気揚々と鼻の下を伸ばしながらバーに行っても、期待通りの結果にはならない。温度差がある状態で「その○○、おいしいですか?」とか質問しても、絡まれた側は「は、はぁ・・・」といった具合に戸惑うのみだ。

一人飲み同士だからといって無暗に話しかけるのではなく、相手がどんな風にバーを利用しているのか空気を読んだうえで話しかけよう。

お店やバーテンダーから信頼を得ることが大切

バーで出会うための最善手は、お店のオーナー・在籍バーテンダーから信頼を得ることだ。自分・相手・バーテンダーの“カウンターを介する三角形のコミュニケーション”を作れば、円滑なコミュニケーションを図れるというもの。

実際として筆者は、バーテンダーが「こちら(=筆者・タリトネ)、バーめっちゃ知ってるんですよ」と隣客へ紹介したことで親しくなった人は少なくない。

このバーテンダーによる紹介には様々な背景があると思うが、少なくともお店やお酒に対するリスペクトを感じられない出会い厨にはそんなことしないだろう。下手に紹介するとお店に余計なトラブルが起こりかねないのだ・・・。

さて、この三角形のコミュニケーションを成立させるためには、お店に信頼されることがマストだ。その店へのリスペクト・愛情みたいなものを、何回か通うことで徐々に伝えていけば、バーテンダーももしかしたら“恋のキューピッド”になってくれるかもしれない。

以前、懇意にしているバーテンダーが「なぜか、バーテンダーを敵対視する人っているんですよね」と言っていた。

一人飲み・デート・グループ利用、そして出会い目的・・・バーの利用シーンは色々とあるが、どのシーンでもこちらが紳士淑女のまま過ごしていればバーテンダーは味方になってくれる存在だ。あなたにはバーテンダーを敵対視なんかせずに、そして相手と無理やり2人だけの空間を作らずに、お店を味方に付けながら徐々に交流を深めていってほしい。

バーで出会うならまずお店への愛情を持とう

以上、筆者のなが~い小言として“バー×出会い”についてまとめてみた。バーに出会いを期待していた人にとっては、あまり受け止めたくない情報が多かったと思うが・・・ちょっとでも参考になれれば幸いだ。

バーは出会いに不向きなところだが、ほかに様々な魅力がある場所だ。今回の記事や当サイトをきっかけにして、ちょっとでもバーに興味を持ったのであればぜひバーデビューしてみてほしい。